2006-01-01から1年間の記事一覧

獣の声が聞こえてくる

彼は大好物のコーンを食べるのを邪魔された。 だから彼はけして罪など犯していない。 彼はいつも獣の声を聞いているのだ。

敵の多い男

彼は物心ついた時から敵の多い男だった彼は自分に敵が多い事を嘆いているようだった 誰しも彼の味方になる可能性を秘めているのだから仮に彼に敵が多いとしてそれは彼の責任であるはずのだがどうやら彼は自分の置かれた状況を悲観視する事しかできないらしい…

不公平

あなたが死んだので私は泣きました。 私が死んだのにあなたは泣きませんでした。 不公平です。 私はあなたを殺しました。 あなたが死んだので私は泣きました。 今から私は死にますがあなたは泣かないのでしょう。

悲しい夢

悲しい夢を見るっていうのは もしも悲しい事が起こったとき 少しでも対応できるように 少しでも早く笑えるように 多くの悲しみを知っておく為に見るんだ 悲しい夢で目が覚めた朝は ひとつ強くなった証なんだ

笑い声の主

不快な笑いが聞こえる。 笑い声の主を探して部屋を見渡せば鏡の中に下品な顔が見えた。 鏡を拳で叩き割ったが不快な笑いは消えない。 ふと拳を見ると鏡の破片が突き刺さり血が溢れ出ていた。 恐怖が彼を支配して笑い声は止まった。

怖いもののない男

ある小さな村に怖いもののない男が住んでいました怖いもののない男には何ひとつ怖いものがありませんでした「この山をこえた先の大きな街にならきっと僕の怖いものがあるはずだ」怖いもののない男は小さなリュックを背負い小さな村を出発しましたやっとのこ…

クッキーと銀貨

右手に一枚のクッキー左手に一枚の銀貨 好きな方を選ばせる事が優しさなのか両方あげる事が優しさなのか左手の物を渡し、それで右手の物が沢山買える事を教える事が優しさなのか 右手に一枚のクッキー左手に一枚の銀貨 まずは両手を差し出すところから始めよ…

影響される

例えばこんな言葉があるとしよう。 「人は治すより壊す方が簡単だ。そう心にとめておく事で治すのも容易くなる。」 高名な外科医の言葉だ。そう言われればなるほどその通りだと思える。 有名な心理カウンセラーの言葉だ。そう言われればなるほどその通りだと…

村人Dへ、性悪な道化師から愛を込めて

悲劇のヒーローヒロイン演じるのだって努力も才能も必要なんだぜ?お前如きに悲劇のヒーローは演じられねぇよ。お前如きが悲劇のヒロインになれる訳ねぇよ。「僕はなんて可哀相なんだ。」「私はなんて不幸なの。」「苦しい、痛い、辛い、悲しい、、、」で?…

盲信

自分を盲信すりゃあ良い、他人を盲信すりゃあ良い、世界を盲信すりゃあ良い。 それができない奴は狂って死にゃあ良い。

渇きの中で

唇が乾いていました。彼は水を塗りました。 彼は唇が乾く度に水を塗りました。 しかし唇は乾き続けます。 それは彼が血と金を啜り続けるからなのです。 彼は渇きの中で死にました。 彼は世界の事が嫌いで世界は彼の事が嫌いです。

俺を巻き込まないでくれ

人がミンチになって死ぬところを見た後でも平然とステーキを食える人間になりたいんだ オカシイか? オレは俺なりに生きる為に強くなりたいだけなのに 弱い事に憧れるのは皆の勝手だ だけどそんな考えに俺を巻き込まないでくれ

自己犠牲

なあ神様、俺の腕一本と大事な友達の笑顔交換してくれねぇか?何なら利き腕の方をやるぜ? なあ神様、俺の脚一本で大切なあの子の幸せ保証してくれねぇか?今ならもう一本付けてもいいぜ? 例えば誰か一人の命じゃなくて「俺の命」と引き換えに全ての人々が…

あぁ、狂気。

狂ってるんだよ 世界が狂ってるだなんて言わねぇよ 俺が狂ってるんだ 俺の世界が狂ってるんだ 殺してみろよ 歯向かってやるからよ

カサブタ剥がす奴って多いよな。あれって楽しみでやってんのかね?ん? 違うよ、心の話。

有意義に

人間、死ぬまでの時間を有意義に生きたいと思うのは至極当然の事だ つまり生きる事に意義を持たない人間が自ら命を絶つ事は死ぬまでの時間を有意義に生きる事と同じベクトルの考えだと思って良いんじゃなかろうか

不純な考え

人間は生まれながらにして不透明だ 死ねば透明になれるだなんて思ってるのなら 勘違いも甚だしい

現実的遊具

おもちゃは子供たちに夢を与えるもの?娯楽の為に必要とされて要らなくなったら捨てられる玩具ほどリアルなものはないって気がするぜ?

教祖様の育て方

知能レベルの低い生物に知識を与えるという事は それだけで洗脳に近い行為であると自覚する事

マリオネット

吊るされるのが嫌で操られるのが嫌で糸を切って逃げ出そうと思ったけれど最後の糸を切った瞬間僕はその場に崩れ落ちてしまった

EAT

一口、また一口と弱肉強食が世の常生きるという事は即ち食べる事、食べられる事一口、また一口と カラダはまだ残っているかい?

迷子と僕

真夜中に僕が買い物に出ると暗がりの道を迷子が歩いていた近くの交番に連れて行ったけれど最後まで僕の事を怖がっていた僕は一生あの子に感謝される事なんてないんだろう

我慢

「こんなに我慢してあげてるのに!」我慢してあげてる?我慢は自分の為にするもんだろ他人の為だなんて思い違いだいくら我慢しても事態は好転しねぇよ我慢は直接的な解決法じゃねぇ状況を変えたいなら 『動け!!』

一日中うるせぇんだよ

僕がひとりでぼーっとしていると 厚い雲越しに照り付ける太陽が 「それでも生きるんだぞ?」とか言ってくる 僕は「分かってるよ」ってそいつに背を向けた

親殺し

「なぁ、守衛さんよ」「・・・死刑が決定した者は犬以下の身分だ。人間に話しかけるのは御法度だぞ?」「そいじゃこれはオラの独り言だ気にしねぇでおくれ」「ああ、独り言なら存分に喋べりゃ良いさ」「オラのおっかぁはオラが子供の頃からずっと言ってただ…

ちっぽけなヒーローの恋人の言葉

あなたが口癖のように言う言葉 「僕にできる事はほんの僅かだから」 いつも小さな救いをくれる貴方は 私にとって小さなヒーローだから これからも守っていてくれると嬉しいな・・・ ずっとずっと傍にいてね

知恵の輪

TVの前でかれこれ30分 映ってるのはバラエティ番組 でも全然見てない 僕は手元に夢中 難しさLv.☆1つの知恵の輪 観客の笑い声も聞こえないくらいに集中しても そこには1つのままのカタマリ どんなに単純明快で解けそうに見える知恵の輪だって 触って…

狐の嫁入り

お天気雨の振った日は遠くへ行ってしまった彼方が泣いてるような気がしてなんだか少し切なくなります

馬鹿なヒーロー

馬鹿なヒーローは 救うべき人も判らない 守る物も決められない 馬鹿なヒーローは 戦う術も分からない 力の加減の仕方も知らない 守りたい物を強く抱きしめるとそれは音を立てて壊れてしまった 馬鹿なヒーローは 何一つ救えない 誰にも必要とされない 偶然や…

弔い屋の友人

私の友人は死人を弔う事を生業としていた 彼は人間の本質を嫌という程に見てきた 彼はある日、自身の命を絶ったのだ彼の口癖を良く覚えている「肉は虫に喰われ、骨が風に削られようとも、人は人の心に残る」私は彼の墓の前で呟いた「人の心に残って満足なら…