馬鹿なヒーロー


馬鹿なヒーローは
救うべき人も判らない
守る物も決められない


馬鹿なヒーローは
戦う術も分からない
力の加減の仕方も知らない


守りたい物を強く抱きしめるとそれは音を立てて壊れてしまった


馬鹿なヒーローは
何一つ救えない
誰にも必要とされない


偶然やってきた道化は自分を愚かしく見せる事で人を笑顔にして見せた


馬鹿なヒーローは
「いっそ道化に生まれたかった」
そう思った


それでも


馬鹿なヒーローは
再び歩き始めた
今度こそ誰かを救う為に