風邪を引いて汗だくで目が覚めて、でも一人で。 真っ暗な部屋にただ一人で。 とにかく寂しくて悲しくて、嗚咽を噛み殺した。 明日は晴れるかい？ 眩しい日差しは見れそうかい？ 止まない雨は無いのだから・・・ 子供の頃夜中に目が覚めて、でも一人で。 真っ…

今、俺が死んだとしたら。 生まれて来た事を後悔するだろう。 そして周りからこう言われる。 「随分勝手な事を言うんだな。」 そして俺はこう言う。 「死ぬ時くらい勝手で居させろ。」

嫌われるのには慣れてます 寧ろ臨む所です 見え透いた創り笑顔で声かけて来るくらいなら 是非こっちを見ないで欲しいのです 別れは悲しくありません 寧ろ臨む所です ぶっきら棒な態度で送り出した後の私の泣く声が アナタに聞こえなければそれで良いのです …

高速道路の高架下 汚いオヤジが唄うたう 酒と煙草で潰れたような 汚い声で唄うたう 人々が足早に通り過ぎていく中 一人の青年はオヤジの前に座った 暫らく耳を傾けて 涙を流してこう言った 「苦労を知ってるいい声だ、世の中を見てきたいい唄だ」 青年はオヤ…

油が足りなくて肌がカサカサする 油が足りなくて心がカサカサする もうコッテリしたものを食うのは吐き気がする でもまだアッサリと生きる事を決めるのは怖いので もう一杯、油を飲み干す。

母さんに買ってもらった 両手に余る大きな大きな画用紙 画材屋で手に取ると意外に小さくて あの頃、胸躍らせて描いた夢は この中に入るほど小さな物だったんだな そんな夢も今となっては思い出せなくて 少しだけ切なくなった

カンカラリン音がする これは何の音だろう 気になり足を止めると音も止む これは僕の音なのか いや僕の音じゃない カラッポな僕から音はしない それじゃあ何の音だろう あぁ、この足元に絡むものは何だろう これは僕が捨てようとしても捨てきれなかった想い…

悪いと思ってんならまず謝れよ 謝る事もしないで解決しないとか言ってんじゃねぇぞ 嫌だと思ってんなら早く断れよ 断る事もできないでどうしようとか言ってんじゃねぇぞ 目の前にある解決法くらい試せっての

今日のアンタえらく意地悪じゃねぇか 何か嫌な事でもあったのかよ？ 今夜は酒の２、３杯奢ってやるから たまにゃあ話ぐらい聞かせろよ アンタも色々大変なんだろうけれど こっちだって必死こいて生きてんだよ アンタも一応オレより年上なんだから いい加減そ…

本気で人類平等や世界平和を掲げている人はきっと服なんか来ていないハズだ

女の子が座っている。 欠けたレンガに座っている。 女の子は笑っている。 狂ったように笑っている。 女の子は幸せではない。 かと言って不幸せでもない。 僕は彼女を不幸せだと思った。

子供というのは実に効果的に、効率良く泣く。 無意識的に、潜在的に。 一方、大人になると「泣く」という行為が下手になる。 大人になるほど泣き虫になる。

まだまだ追い詰められてねぇ、シッポなんて早く切り捨てちまいたいのに。

今はトカゲのような生き方しかできねぇケド、 大物 いつか龍になってやる。

綺麗な人が立っていた。 僕は「あ、綺麗な人が立ってる。」と思った。 綺麗な人は、ぼーっと一点を見つめていた。 僕は「一体何を見ているんだろう？」と思った。 綺麗な人に母親らしき人が駆け寄ってきた。 僕は「あぁ、あの人は知能障害者なのか。」と思っ…

私は剣のような人 斬って斬って斬り続けて 戦い続けて傷だらけ 貴方は盾のような人 堪えて堪えて堪え続けて 戦い続けて傷だらけ

言われたら言い返す度胸をつけた。 殴られたら殴り返す筋肉をつけた。 ヤられたらヤり返す根性をつけた。 元々あったんじゃない、”つけた”んだ。 他でもない、自分の為に。

私は虫を殺すのに躊躇しない。 鳥を殺すのに躊躇しない人だって居る。 豚を殺すのに躊躇しない人だって居る。 牛を殺すのに躊躇しない人だって居る。 猫を殺すのに躊躇しない人だって居る。 犬を殺すのに躊躇しない人だって居る。 他人を殺すのに躊躇しない…

「ねぇ、旅人さん。」 「なんだい？」 「どうして貴方はそんなに大きな斧を持っているの？」 「どんな敵が来ても一撃で倒せるようにさ。」 「旅人さんは背が低いのに？」 「力があるから平気なんだ。」 「本当に？」 「あぁ、本当さ。」 「・・・。」 「・・…

「殺人はイケナイ事です。」って教えられたから殺しません。 「盗みはイケナイ事です。」って教えられたから盗みません。 それ以外の理由は有り得ません。 そう言った瞬間から彼は変人扱いです。 誰か教えてもらえないでしょうか？ 殺人がイケナイ理由を。 …

人間って出生登録を受けた時点から人間なんですよね？ 腕が欠けていても人間なんですよね？ 足が欠けていても人間なんですよね？ 心が欠けていても人間なんですよね？ それって酷い束縛ですよね？

「多分、僕は世界中の誰から嫌われても平気だ。」 「拒絶されるのがイヤじゃないの？」 「イヤだけど平気なんだ。」 「今、私がアナタの事を嫌いになっても平気なの？」 「イヤだけど・・・多分、平気だ。」 「そう、悲しい人なんだね。」 「そうだね、そう…

「やぁ」 「やぁ」 「久しぶりだね、元気してたかい？」 「ははは、そっちはどうだい？」 「君と同じさ」 「それじゃあ僕は用があるから失礼するよ」 「また会えると良いな」 「また会えると良いね」 この日の内に、二人は病気で亡くなったそうだ。