詩−ブラック

「さらば人類」

『人はひとりで生きてるんじゃない』なんて書くと凄く聞こえが良いが 要は良くも悪くも他人に干渉される社会に生まれただけなんだ 他人を嫌った全ての人が猫になりたい、虫になりたい、花になりたい、月になりたいそう思いながら社会を見下ろすんだろう 最後…

生きる場所

10、 9、 8、 7、 6、 5、 4、 3、 2、 1、と吼えれば群れの中 独りじゃ広野を生きられない 1、 2、 3、 4、 5、 6、 7、 8、 9、 10、と唱えて宙に舞い 森の不適な王と成る

ロックンロールを聞いても僕の気持ちは晴れやしないんだ

昔の友人が薬に頼って生きるようになっていた止めたら殴られて 止めなかったら泣かれて僕にはどうする事もできなかったんだ どうやら僕より偉そうにしている人が僕が必死になって探してきたモノをスッと手に取って「そうそうこれが欲しかったんだよ」で済ま…

ペンペン草の憂鬱

一斉に踏み鳴らされる足音で目を覚ましてみればそこは日も当たらないようなビル郡の中 ああ、どうやら俺は生まれる場所を間違ったようだ やべーなこりゃ どうしてみんな僕を踏んでいくんだ?どうなってんだこりゃ どうして光も当たらない?ああ、どうやら僕…

心動

「僕は余計な事を見過ぎた」僕は目をナイフでえぐった「僕は余計な事を聞き過ぎた」僕は鼓膜を針で突き破った「僕は余計な事を喋り過ぎた」僕は喉を殴って潰した「僕は余計な事を知り過ぎた」僕は脳を拳銃で撃ち抜いた それでも世の中には余計な事が溢れてい…

不公平

あなたが死んだので私は泣きました。 私が死んだのにあなたは泣きませんでした。 不公平です。 私はあなたを殺しました。 あなたが死んだので私は泣きました。 今から私は死にますがあなたは泣かないのでしょう。

マリオネット

吊るされるのが嫌で操られるのが嫌で糸を切って逃げ出そうと思ったけれど最後の糸を切った瞬間僕はその場に崩れ落ちてしまった

馬鹿なヒーロー

馬鹿なヒーローは 救うべき人も判らない 守る物も決められない 馬鹿なヒーローは 戦う術も分からない 力の加減の仕方も知らない 守りたい物を強く抱きしめるとそれは音を立てて壊れてしまった 馬鹿なヒーローは 何一つ救えない 誰にも必要とされない 偶然や…

空想世界

子供の頃からゲームばっかりして馬鹿げた夢ばかりみてたから 大人になる頃には現実がぼやけて見えていた レンズ越しに見る世の中は現実より少し小さく映った

全部都合の良い様に

さあ大変だ。 信じるモノも頼るモノもない神様が発狂した。 次は何を信じる? 次は何を頼る? 神を失くした人々は発狂するしかないかい? それともさっさと次の神を産むかい? 生に縋るのは人の方だ。 次なんてあるのか? 神は人の子だ。

不安

風邪を引いて汗だくで目が覚めて、でも一人で。 真っ暗な部屋にただ一人で。 とにかく寂しくて悲しくて、嗚咽を噛み殺した。 明日は晴れるかい? 眩しい日差しは見れそうかい? 止まない雨は無いのだから・・・ 子供の頃夜中に目が覚めて、でも一人で。 真っ…