カンカラリンの音


カンカラリン音がする
これは何の音だろう
気になり足を止めると音も止む
これは僕の音なのか
いや僕の音じゃない
カラッポな僕から音はしない
それじゃあ何の音だろう
あぁ、この足元に絡むものは何だろう
これは僕が捨てようとしても捨てきれなかった想いだ
それが音を立てているのだ
「カンカラリン」
僕は捨てたつもりだったが捨てきれていなかったのだ
僕は足に絡む想いの欠片をヒョイとつまみ上げ、口に入れた
一息つくと足を進める
僕の中からカンカラリンと音がした