靴紐

時に走って時に立ち止まりつつ
ここまで何とか歩いてきた
怪我をして歩けなくなった事もあったけれど
自分なりに、立派に歩いてきたつもりだ


さぁ!どれほど進んだだろう
そう思って振り返ってみたけれど
それは以前見た時と少しも変わらぬ景色だった


唇を噛み締めて前を向き直し
しゃがんで靴紐を結び直したけれど
もう立ち上がれない程に疲れ果てていた


「僕はもう歩けない・・・」



時に走って時に立ち止まりつつ
ここまで何とか歩いてきた
こうしてる間にもどんどん抜かれていくけれど
自分なりに、必死に歩いてきたつもりだった


一体何故立てないんだろう?
汗を拭い前を睨み直したけれど
前を歩く人の背中がドンドン離れていった


歯を食いしばって前を向き直し
考えるのをやめて踵を蹴り出してみれば
もう歩く事は身体が覚えていた


「僕はまだ歩ける!!」



時に走って時に立ち止まりつつ
ここまで何とか歩いてきた
怪我をして歩けなくなった事もあったけれど
随分多くの人に抜かれたもんだけど
自分なりに、立派に歩いてきたつもりだ


さぁ!どれほど進んだだろう?
そう思ったけれど・・・