一日一善を心がける男

男「さて、そろそろ寝るか・・・あれ?僕は今日一日一善を忘れているじゃないか!  これじゃあスッキリ眠りに付けないから街に出て一日一善してこよう。」




男「お、早速落し物の財布を発見したぞ。これを交番に届けて・・・よし、帰って寝る  としよう。」

女「そこの方、助けて下さい! 息子が川に落ちて溺れているんです!」

男「おや、大変だ。早く助けておやりなさい。」

女「それが私は泳げないんです! どうか代わりに息子を助けて下さい!」

男「惜しいな。僕は泳ぎは得意なんだがついさっき一日一善をしてしまった所なん   だ。」

女「どういうことですか!? 早く息子を助けてやって下さい!」

男「あ、でもほら、もう沈んだよ。可哀相に・・・それじゃあ僕は失礼します。」




男「ふぅ、随分遅くなっちゃった・・・お? 日付が変わったぞ。道端の空き缶をゴミ   箱に捨てて・・・と、良し、これで今日の分の一日一善もクリアだ。良い事をする  と気持ちが良いなぁ〜、早く家に帰ろうっと。」