「空を飛べたら」

周りを見渡すと背の高いビルが立ち並び

走る事もままならない・・・

僕が生まれたのはそんな街だった


だから、ただなんとなく

遠くに見えるあの山を越えて

「空を飛べたら」なんて思っていた


ある日、空を越えて外国へ旅行に出た

大草原の上を思う存分走り回り

岩肌の見える高い山を登る


頂上から見下ろしたのは一面に広がる深い森

そしてその中にそびえ立つレンガの城だった


僕は初めて心の底から

「空を飛べたら」なんて思っていた